断捨離考(1)2019/01/30

今年65歳になるので、いわゆる高齢者の仲間入りである。ここに至るまで大病もなく一応元気に暮らせてきたのだから、まずは丈夫な体をくれた両親に感謝しよう。
阿武隈の山間地で田舎暮らしを始めて、仕事帰りに飲み歩くといった都会暮らしの悪習慣から遠ざかったせいか、体調もすこぶるいい。永いこと風邪もひいたことがないが、足腰は確実に萎えてきていると感じている。もちろん歳のせいもあるだろうけど、一日中PCの前に座って図面を書く仕事のせいでもある。
そんなことを思いながら、買っただけで本棚の飾りになっている専門書のたぐいを眺めて、ため息を付いたりもしている。
若い頃は研究者と呼ばれる立場にもあったので、研究テーマに沿って必要な書籍を買い集めてきたのだが、もはや論文を書くこともなく、高価な専門書も書棚に佇んでいるだけになった。
正月に帰省した娘に聞いてみたが、私と全く違う分野の研究者を目指しているため、それらの書籍を残したところで活用されないことは明白である。
捨てるのも勿体無いし、処分するのも心もとないので、誰かに譲ることも考えているけど、大学を離れて久しく、地方で田舎暮らしをしているため、譲渡すべき後輩もいない。さりとて古書店に売るにしても神保町にある専門書店ぐらいしか思いつかず、地方では全くあてがない。遺跡の発掘報告書となると、専門に取り扱う古書店ですら期待できず、図書館に寄贈しようにも引取先がない。・・実に勿体無いのである。
高齢ということは確実にその日に近づいているということだし、そうでなくとも事故や病気で突然居なくなってしまうってことも十分ありうる。そんなことを考えるようになったのも還暦過ぎた頃からだけど、ともかく身軽にしておかなくてはと強く思い始めている。なにより自由に羽ばたいて欲しいと願っている娘の負担になりそうな物は残したくない。そんな思いで断捨離を始めている。倉庫のガラクタはボチボチやるとして、大した量でもないけど専門書比率の高い書籍類については最優先に考えている。できれば誰かに有効利用してもらいたいと願いつつ・・。

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