試行錯誤な退院後2020/08/23

退院してからひと月が経ち、コロナ禍の最中で慣れない生活が続いている。毎日薬を飲むなんて初めての事だし、血圧や心拍数も記録している。心の準備も何もないまま禁煙生活に突入したが、不思議なことに割りとすんなり実行できている。こんな時には一服付けけたいなあとたまに思うことはあるが、思いきり深呼吸したり、お茶を飲んだりする事で凌いでいるし、幸いにしてニコチン中毒のような深刻な症状は出ていない。飲酒については、一日おきに晩酌をするが、350mlの缶ビール一本だけで、習慣となっていた寝酒は止めた。今のところ禁酒はしないが、量を少なくすることと、以前から飲むと頭がキンキンする蒸留系の酒(スピリッツ)をやめることにし、食事を楽しむための日本酒やワインだけにしようと思っている。飲酒はリスキーだと承知しているがこれだけは止められない。うまい酒を少量という方針で楽しむことにする。そういえば恩師で美術史家の友部直先生は、残された時間が少ないからと、大好きなものを少しずつと言いながら、晩年にはキャビアやフォアグラを摘みにワインや吟醸酒を楽しんでおられた。リスクを抱えながらも「楽しみなくして人生とはなんぞや?」の心境である。
病気になると本気で人生を考える。運が悪ければ、不自由な体になって看護師さんたちの世話抜きにして生きられない状況であったかもしれない。もしそうなっていたら、仕事や生活のあれこれどうなっていただろう?と眠れぬ夜中に考える日々が続いている。若いころは実感できなかったけれど、高齢者になるといとも簡単に、あっという間にこうした状況が訪れるのだ。入院中に実際の重症患者を目にしたことは重い。何しろそれは他人事ではないのだから。
ともかく僕は軽症で運がよかった。日常生活の習慣をあれこれ改善し、試行錯誤しながらも自力で生活できている。だから無理をしないで、この状況に合わせて生活を楽しみたい、そう思っている。

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