三春の事2016/11/13

三春の滝桜
 何事も期待し過ぎると失望の程度も大きい。
 その意味では三春町には大きな失望感を持っている。
 地震は自然災害であり、日本という地震国に住んでいる以上避けられない事だけど、地域社会とりわけ行政の姿勢や住民の意識については、正直言って大変失望させられた。
 三春町と言えば、自然が美しい福島県の仲通にあって、「学校は変えられる」で有名な教育改革先進地、オープンスペース環境を取り入れた小学校がある等、子育てと教育にとって素晴らしいところだという認識で移住したのだけど、PTAや文化財行政に関わってみて、・・あれこれ具体的には言及しないけど、要するにがっかりの連続だった。また、教育長を全国公募する等、目を見張るような斬新な考え方で町政を引っ張ってきた伊藤寛町長が御家庭の事情で突然辞職され、国の原発政策に厳しい姿勢で臨んでいた佐藤栄佐久福島県知事が、何やら胡散臭い捜査で収賄罪に問われて辞職してしまった。よって福島県と三春町を選んだ移住の前提条件みたいなものが瓦解し、私からすれば、旧態依然とした魅力のない田舎行政に戻ってしまった。
 それに加えて、東日本大震災と原発事故による放射能汚染。とりあえず美しい自然環境だけは自慢できたのだが、それも最悪の事態になってしまった。米や農産物などの商品作物はしっかり放射能検査しているとは言うものの、キノコ・山菜採りや渓流釣りなど、除染されていない山地からの身近な恵みはとても口に出来る訳もなく、個人的には大きな楽しみを失ってしまったとも言える状況である。
 そんなこんなで、「終の住処」と思って建てた自宅だが、この頃は手放す事も視野に入れて暮らしている。もろもろの条件が揃えば、もっと楽しく暮らせる居場所を探そう。そう思えばまた新たな楽しみが出来ていいのかも知れない。